2016年02月14日

【スピンオフ】魔王子「僕が美しすぎて世界征服とかどうでもいい」【バレンタイン】

魔王子「僕が美しすぎて世界征服とかどうでもいい」のバレンタインスピンオフです。





バレンタインデーの朝…

>シャワールーム


シャワアアァァ…

魔王子(ふふ…僕は何て美しいんだ)ウットリ

魔王子(罪なほどに美しい僕は、毎年抱えきれない程のチョコを貰っているが…)

魔王子(今年は姫様という本命がいる。バレンタインは僕にとって、特別な日となったのだ)

キュッ

服<お、シャワー終わったか

魔王子「ふふ、興奮してきた。だがそれを顔に出しては美しくないよね」フキフキ

服<顔に出てなくても股間に出てるぞオイ

魔王子「平常心、平常心…フフ、僕は美しい」

服<体冷えるぞー

魔王子「よし、いつもの僕だ…」キリッ

魔王子「では余裕を持って、行こうか!」バァン

服<……

服<おーい、着忘れてるぞー





メイドA「魔王子様、おはようござ…!」

メイドB「」

魔王子「おはよう。どうしたのかね?」

メイドA「あぁ、魔王子様…」メロメロ

メイドB「貴方は何と素敵なお方でしょう…」メロメロ

魔王子「おやおや…顔を見慣れている使用人までメロメロにしてしまうとは、湯上りの僕とは恐ろしいものだね」

魔王子「さて、正門前で姫様を待つかな」





姫「……」ドキドキ

姫(魔王子様、喜んで下さるかしら…)

姫が用意したのは、芸術の国の有名チョコ職人が造り上げた『美しき薔薇のチョコ』。

姫(見た目も味も一級品よ。何も卑屈になることはないわ…)

姫(お城が見えてきたわ…。これを魔王子様に渡すだけ!)

魔王子「おーい、姫様ー」

姫(! 魔王子様の声が…)

姫「魔王子さ……」

魔王子「やぁ、待ってたよ」キラリーン

姫「」

魔王子「うん? どうしたのかな姫様?」

姫「いっ……」

魔王子「い?」

姫「いやあああぁぁぁぁ!!」ダーッ

魔王子「なっ……逃げるだと!?」

魔王子(何故だ! 僕はこんなにも美しい、逃げられる要素など…ま、まさか…)

魔王子(バレンタイン当日に、フラれた…!?)ガーン





姫「はぁ、はぁ…」

姫(魔王子様…どうして服を着ていなかったの!?)

姫「……チョコ、渡しそびれちゃった…」





魔王子「あぁ…せめて理由を聞かせてよ姫様。僕が美しすぎるから!? 僕と共にその罪を背負うのが重くなってしまったのかい!?」

魔王子「それとも…」


女戦士「魔王子様…今日も美しいわ」ウットリ

魔法使い「チョコを渡しに来たというのに…」

僧侶「何ということでしょう! あまりの眩しさに近づくことすらできないなんて!!」


魔王子「毎年チョコを沢山貰っているというのに、今年は誰も来ない…」

魔王子「まさか!! 僕の美しさがランクダウンしてしまったというのか!?」

魔王子「ああぁ…確かめようにも鏡を見るのが怖い。美しくない僕なんて見たくないよ!」

人々は言う。『人は見た目ではなく中身だ』と。
それを否定する気はない。否定する気はないが――

魔王子「美しさとは僕そのものなんだよ! 美しくない僕は、僕じゃないんだ!!」

人々は言う。『花は儚いからこそ美しいのだ』と。
それも納得している。だけど、それは花の話。

魔王子「僕の美しさは時の流れなんかに奪える程度のものではなかったはずだ! それなのに、それなのに…ッ!!」


側近(ん? 魔王子様の叫びが……裸で何やってるんだあの馬鹿は)

魔王子「美しくない僕なんて、美しくない僕なんて…!!」チャキッ

側近「!?」

魔王子「せめて美しく、この胸に紅い花を咲かせて…」

側近「早まらないで下さい、魔王子様!!」バッ

魔王子「側近! 離してくれ、せめて美しく死なせてくれえぇっ!」ジタバタ

側近「貴方が自害を考えるなど、何があったのですか!?」

魔王子「僕は僕である意味を失ったのだ!! アァッ、僕の心は何て悲劇的で美しいのだっ!!」

側近「酔ってんじゃねーよ!」



姫(魔王子様…怒ってないかしら)

姫(魔王子様が服を着ていらっしゃらないのには、必ず理由があるはず…! まずは話し合いを…)

姫(……ん?)



側近「話を聞けつってんだろ、このナルシが!!」ゼェッハァッ

魔王子「アァ…僕を拘束するのならこんな荒縄じゃなくて薔薇にしてくれよ…」


姫(魔王子様!? し、縛られてる、何があったの!?)


側近「ハァハァ…。で、魔王子様。何故、自害など謀ったのですか?」

魔王子「気づいているんだろう側近! 僕の美しさは損なわれたのだ!」

側近「…すみません、いつもとの違いがわかりませんが。何故そう思われたのです」

魔王子「今年は…チョコを1個も貰っていないんだよ!」」

側近(毎年、義理チョコを数個貰える程度の私に対して嫌味か?)ビキッ

魔王子「僕の美しさが損なわれたから、誰もチョコをくれないのだ! 姫様も僕の姿を見て逃げ出してしまったし!」

側近(その発言、『僕の魅力は見た目だけです』って言ってるようなものだぞ)

魔王子「美しくない僕なんて…僕なんてえぇっ!!」


姫「…話は聞かせて頂きました、魔王子様」

魔王子「姫様!!」

側近「あ」

魔王子「…見ないでよ姫様。美しくない僕なんて…」プイ

姫「いいえ。魔王子様、この鏡をご覧になって」パッ

魔王子「え――っ」


反射的に鏡を見て、魔王子は驚愕した。
だって、そこに映っていたのは――


魔王子「う――…美しい!!」


いつもと変わらぬ、神々しいまでに美しい自分の姿だったのだから――


魔王子「教えてくれ、姫様! 何故…こんなに美しい僕から、逃げ出してしまったんだい!?」

姫「それは――裸だからです」

魔王子「はだ、か…?」


そう言われ、魔王子は自分の体に視線を移した。
そして――理解した。


魔王子「何てことだ…! 僕は…僕は、服を着忘れていたんだね!」

姫「そうです、魔王子様!」

側近(気付いてなかったのかよ…)

魔王子「きっと朝のシャワーの時だ…。はは、姫様のチョコに期待して服を着忘れるなんて、余裕のない証拠だね。僕としたことが、美しくな…美しくない僕なんてええぇ!!」

側近「それはもういいっつーの」

魔王子「でも参ったなぁ、これでは常時パーフェクトビューティ魔王子フラッシュ状態だ。側近、タオルを1枚持ってきてくれないかい?」

側近「いや股間隠せばいいってもんじゃねーぞ」





姫「…そういうわけで魔王子様、こちらがチョコレートです」

魔王子「ありがとう、姫様」

側近(やれやれだな)


キャイキャイ

魔王子「……ん?」


女戦士「魔王子様ーっ!」

魔法使い「チョコレートですぅ、受け取って下さぁい!」

僧侶「魔王子様の為に徹夜して並んで買ったんですよーっ!」


魔王子「ハハ、ありがとう」

姫「魔王子様ったらぁ」プクー

魔王子「嫉妬かい姫様。大丈夫、姫様のチョコを1番大切にするよ」

姫「他の女性からの本命チョコを受け取っちゃうなんてぇー」

魔王子「仕方ないじゃないか、だって僕は――」


不誠実と言われても仕方ないのかもしれない。
それが自分の背負った罪の代償。だって僕は、こんなにも――


魔王子「何者をも魅了する程に、美しいのだからね!」

姫「そうですね…仕方ないですね!」


それが、美しすぎるという罪なのだから――




側近「馬鹿じゃねーの」


Fin


あとがき

いやまぁ、ナルシスバカじゃない魔王子は魔王子じゃないから…。
本編以上に全裸でしたね。全裸でリア充とかどんだけ恵まれてるんだよ。

ちなみに本編は恋愛エンドでしたが、これギャグssですからね(言い訳
posted by ぽんざれす at 10:01| Comment(0) | スピンオフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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