2016年09月27日

魔姫「捕まえてごらんなさい、色男」/分岐ルート後日談

魔姫「捕まえてごらんなさい、色男」の分岐ルートスピンオフ、各ルートの後日談です。


以下のリンクから各ルートに飛びます

ハンタールート
猫耳ルート
勇者ルート







ハンタールート

わいわい

魔姫「綺麗に手入れされた庭園、爽やかなそよ風……紅茶の香りが私に癒やしを与える」

ハンター「……」

魔姫「ね? いいお店でしょ、ハンター」

ハンター「……確かに店はいい。景観もメニューも文句はない。だが……」

魔姫「何よ?」

ハンター「何で、知らん内にここが俺のバイト先になってるんだ!?」

店長「ハンター君、ネクタイ曲がってるよ」

魔姫「だって、店員さんの制服が素敵なんだもの。是非、ハンターに着て欲しくて」

ハンター「いや納得せんぞ」

魔姫「どうせ今日は私の貸切なんだし、楽なお仕事じゃないの」

ハンター「そういう問題では……。ハァ、言い合いしても無駄か」

魔姫「そういうこと。ほら、ネクタイ直してあげるわよ」

ハンター「ありがとうございます、お客様ー」

魔姫「あら照れ隠しに棒読みなんて、可愛い~。心の中ではドキドキしてるんでしょ~?」

ハンター「いや別に。慣れてるからな」

魔姫「………」

ハンター「いつまでかかって……ってオイ」

魔姫「あらハンター、ねじねじネクタイも素敵ねぇ~」

ハンター「お前な……。そういうイタズラするところがお子様だな」

魔姫「そのお子様に惚れた貴方は少女趣味なのかしら?」

ハンター「しょ……断じて違う! というかお前も成人近いのだから、その自覚を持て」

魔姫「ふぅん? どうやったら成人らしくなるのかしら?」

ハンター「そうだな……。大人としての振る舞いを身に付け……」

魔姫「わかった。店長さーん!」

ハンター「は?」



魔姫「いらっしゃいませー」

ハンター「……待て。何でお前もバイトしてるんだ?」

魔姫「大人としての振る舞いを身に付ける為よ」

ハンター「だからって何故バイト」

魔姫「1度やってみたかったのよね~。猫には内緒ね!」

ハンター「いやちょっと待て。……オイ!」

魔姫「いらっしゃいませお客様、お席はこちらになりまーす♪」

ハンター「……」

魔姫「ご注文如何ですか? はい、コーヒーと……あれっ、何だっけ」

魔姫「テーブル拭くわね~」ビチャビチャ

魔姫「え、モンブランご注文でない……。あら、どこのテーブルだったっけ??」

ハンター(いかん……。初日とはいえ駄目すぎる)

客「おい! 何だこのコーヒーのブレンドは、クソにがいぞ!」

魔姫「あらっ」

ハンター(あぁ、やらかした……)ガクッ

魔姫「申し訳ございません、お客様。すぐにお取替え致しますね」

客「待てよ、姉ちゃん。こんな濃いコーヒー飲んじまったせいで、今日は俺は眠れそうにない」

魔姫「はぁ……?」

客「だから姉ちゃんもこのコーヒー飲んで、今夜は眠らず俺に付き合ってくれよおぉ!」ヒヒヒ

魔姫「……は?」

ハンター(まずい……モンスター客だったか!)

客「いいだろう姉ちゃん、可愛いねぇ~」

魔姫「おほほお客様、ご冗談を」ゴゴゴ

客「冗談じゃねぇよ、いいからとっとと……」

ハンター「……お客様」ニッコリ

客「あん? テメェは黙って――」

ハンター「……」グビッ

客「」

魔姫「い、一気飲み……」

ハンター「……お客様。彼女の代わりに、この私がお付き合い致しますので」ニコニコ

客「い、いや、そんな……」

ハンター「私 が お 付 き 合 い 致 し ま す の で」

客「……いいや。代わりの持ってきて」ショボン



魔姫「何よぅ、私の威圧よりハンターの威圧の方が怖かったっての?」ブツブツ

ハンター「ああいう、女相手でないと強気になれない奴もいるんだ。またひとつ勉強になったな」

魔姫「ふぅん。なるほど、こうやって色んな人を知っていくのね」

ハンター「今日は頑張ったな。だが、お前がこの手のバイトに慣れるには時間がかかりそうだ」

魔姫「あー疲れたわ…。肉体的ってより精神的に」

ハンター「そう。だから大人は酔う程酒を飲むんだ」

魔姫「不健全ねぇ~。早めに寝た方がいいかしらぁ~…」フアァ

ハンター「……いや、眠るのは待て」

魔姫「ん?」

ハンター「今夜は付き合え。お前の淹れたコーヒーのせいで眠れそうにない」壁ドン

魔姫「………」

ハンター「もう一段階、大人の階段……昇ってみないか?」

魔姫「……あのオジサン客と関節キッスした口はちょっと」

ハンター「……うげぇ」

魔姫「大丈夫? 背中擦る?」

ハンター「誰のせいで……。お前、覚えてろよ」

<終わり>








猫耳ルート

わいわい

魔姫「誕生日に城で立食パーティーが開かれるなんて、流石勇者。英雄ねぇ」

猫耳「はい魔姫、料理取ってきたよ~」

魔姫「ありがとう。でも、そんな気を使わなくていいのよ?」

猫耳「なーに言ってるの。魔姫に料理を盛らせるなんて、できないよ!」

魔姫「でも、立食パーティーなんだから……」

猫耳「僕は魔姫に恥をかかせたくないんだ!」

魔姫「まぁ猫ったら」

魔姫(柄にもなく格好つけちゃって。でもまぁ、悪い気分じゃないわ)フフ

猫耳(魔姫が盛り付けたら、せっかくの料理がぐちゃぐちゃになるからね……)

魔姫「うん…一流シェフの味付けね」

猫耳「? 魔姫、もしかしてお腹空いてなかった?」

魔姫「え? どうして?」

猫耳「魔姫っていつも、凄く美味しそうに食べるからさ。今日の反応はイマイチに見えるなー、って」

魔姫「う。猫の目は誤魔化せないわね……」

猫耳「お腹空いてないなら、デザートとか……」

魔姫「だけど、まだまだ私を見る目が未熟ねぇ。私はお腹一杯じゃないし、お料理も美味しく頂いているわよ」

猫耳「んん~? ……あ、パーティーだからお上品ぶってるとか」

魔姫「私は『ぶってる』んじゃなくて、本当にお上品なのよ、猫ちゃ~ん?」ギュウゥ~

猫耳「あいたた~!」

魔姫「もー、猫。理由はひとつしか考えられないじゃない」

猫耳「いたた……。な、何?」

魔姫「普段頂いているお料理の方が、美味しいからよ」

猫耳「………へ?」ポカン

魔姫「ほら猫、早く食べないと冷めちゃうわよ」

猫耳「あ、う、うん! ……そ、そっかぁ。僕の料理が……」

魔姫(猫ったら照れちゃって。可愛いんだから)

猫耳「……あっ。新しい料理追加されたから、持ってくるねっ!」

魔姫「ありがとう~」

貴族A「魔姫様、ご機嫌よう」

魔姫「ん?」

貴族B「初めて貴方をお近くで拝見しましたが…やはり、お美しい」

魔姫「あら、ありがとう」(うん、知ってる)

貴族A「魔姫様、どうか今度行われる僕の家のパーティーにご出席下さい」

貴族B「僕たちの家は、代々国王陛下と懇意の仲であり……」

魔姫「あらー」ニコニコ

魔姫(いや知らないし。でも心なしか周囲の注目も集めちゃってるし、手ひどく振って恥かかすのも気が引けるし……)

猫耳「ま、魔姫……」

魔姫「あ、猫……」

貴族A「おや。魔姫様の確か従者の……」

貴族B「ご機嫌よう、坊や。少し魔姫さんとお話させてもらっても良いかな?」

魔姫「いえ、猫は……」

がばっ

魔姫「!? ね、猫……」

猫耳「……駄目」

貴族A「え?」

猫耳「魔姫は僕の~っ!」フーッ

魔姫「!?」

ざわざわ

貴族B「……へ? ぼ、坊やの?」

魔姫「え、えぇ。私と彼はお付き合いしてて……」

猫耳「フシャーッ」

貴族A「そ、そうですか。では」ソソクサ

貴族B「うーかゆい、猫アレルギーが……」ポリポリ

魔姫「猫、もー……貴方ねぇ」

猫耳「作戦成功だにゃー」クスクス

魔姫「!?」

猫耳「これだけ大勢の前でラブラブな様子を見せつけたら、魔姫を取ろうなんて男はいなくなるからにゃ~。これで公認だね~♪」ニコニコ

魔姫「なっ……」

猫耳「あと……魔姫は、こういうの照れるんだよね」ニーッ

魔姫「こ、こらっ……! このぶりっ子~っ!」

<終わり>






勇者ルート

勇者「お、お、俺でいいんですか!?」

魔姫「えぇ。観劇のチケット2枚頂いたから…もしかして嫌い?」

勇者「とんでもありませんっ! ほとんど見たことないけど、魔姫さんと一緒なら!!」

魔姫「そう。じゃあ明後日、お洒落して行くわ」

勇者「お、お洒落っ!?」

魔姫「そうよ。……せっかくの、ほら、デート……なんだし」

勇者「~っ……」ボロボロ

魔姫「!? な、何で泣くのよ!?」

勇者「すみません……。魔姫さんを前にすると、俺……情緒不安定なんです」

魔姫「『冷静でいられない』とか『感情を乱される』とか、マシな言い回しはないの」ガクッ



魔姫「忘れてたわ、今日は暗黒騎士シリーズの最新刊発売日だった! 売り切れてなければいいけど!」バサバサ

勇者「……」

魔姫「あら、勇者だわ。衣装屋に入ったみたいだけど……声をかけてみようかしら」

カランカラン

魔姫「勇――」

勇者「どう?」

魔姫「………」

魔姫(何、あのカラフルで目がチカチカする格好は)

店員「よ、よくお似合いですが……。うーん、組み合わせをもうちょっとですね」

勇者「そっか。服とかよくわかんないから、任せた!」

店員「ちなみに、どのような目的で着るものでしょうか?」

勇者「観劇に行く為にね!」

魔姫(明後日用だったの!? 何でサーカスみたいな服選ぶのよ!?)

店員「観劇ですか……。スーツが無難かと」

勇者「スーツは動きにくい。客の中に襲撃者がいたら困る」

店員「しゅ、襲撃者!?」

魔姫(……考えられるわね、勇者なら)

店員「なら、こちらの伸縮性素材のスーツは如何でしょうか」

勇者「ふむ……。着心地は悪くない。ただ……」

店員「ただ?」

勇者「似合わんな。俺の顔がショボすぎる」

店員「い、いえ……そんなことは」

魔姫(店員さん困らせてんじゃないわよ!」

勇者「中の下が無理してお洒落したら駄目だな。だが、魔姫さんに恥はかかせられないし……」ウーン

魔姫(別に中の下とは思わないけど……。でも、私の為に真剣に選んでくれているわ)

勇者「やっぱ勇者といえばコレっしょ! 店員さん、この鎧――」

魔姫「デートに鎧を着ていくバカがいるかーっ!」

勇者「あ、魔姫さん!?」

魔姫「騎士だって休日デートには鎧を脱ぐわよ、鎧が私服じゃあるまいし!」」

勇者「うーん、服のことよくわからなくて……」

魔姫「なら私が選ぶわ。うーん、勇者は体格がいいから……」ジー

勇者「……」ジーン

魔姫「ねぇ勇者はどっちの色が……って、勇者? おーい?」

勇者「……魔姫さんっ!」ガシッ

魔姫「な、何?」

勇者「魔姫さんに服を選んで頂けるなんて、身に余る幸せ! しかし、俺はこの通りのダサ男……。魔姫さんさえ良ければ、これからも俺の服を選んで頂けますか!?」

魔姫「え、ま、まぁ……。し、仕方ないわねぇ! この私にコーデしてもらえるなんて、貴方は本当に幸せな男よ!」

勇者「魔姫さーん。下着なんですが、綿100%のやつよりこういうの履いた方がいいでしょうかー?」

魔姫「それは自分で選びなさい!!」



勇者「魔姫さん、今日はありがとうございました!」

魔姫「沢山買ったわねぇ。いい、絶対柄物と柄物の組み合わせはやめなさいよ?」

勇者「了解です! 組み合わせたらハンターに見てもらおうかな~……」

魔姫「そこまでしなくていいんじゃない。今日買った服なら、そうそう変な組み合わせにならないだろうし」

勇者「いーえ! 魔姫さんとの記念すべき初デートなのですから、手は抜きませんよ!」

魔姫「……ねぇ勇者、ツッコんでもいいかしら?」

勇者「へ? 俺なんかボケました?」

魔姫「この状況が、既にデートだと思わない?」

勇者「」ポトッ

魔姫「……勇者?」

勇者「ぎゃあああぁぁ!! 何てことだ、魔姫さんとの初デートなのにこんなモブみたいな服でええぇぇ!!」

魔姫「いやそこまで取り乱さなくても」

勇者「着替えます! 今すぐ着替えます!」

魔姫「ここで着替えるな……物陰行っても駄目ーっ!!」

<終わり>






あとがき

いちゃラブとは何ぞや。
元は恋愛ゲームを意識して書いたssなので、どのルートもアリで御座います。
このssを本当に乙女ゲーにしたら、王子ルートとかも隠しでありそうですね。
posted by ぽんざれす at 18:20
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